サービス担当者会議が苦手な新人ケアマネが知らない進行のコツ

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サービス担当者会議をどのように進めればいいのかがわからない、この進め方で良いのかなど 、サービス担当者会議を苦手としているケアマネジャーからの相談をよく受けます。 本人が苦手としていなくても、「あのケアマネの担当者会議はイケてない」などの評価を事業所側から聞くこともしばしば。

サービス担当者会議を開催する上でケアマネが意識しておいてほしいことは、1.事前準備を怠らない2.欠席者からの意見を聞いておく3.サービス担当者会議は進行役であることを意識する4.ケアプランの目指すべき姿を共有するが挙げられます。

ダメな担当者会議と参加者にとって有意義なサービス担当者会議の違いはどこにあるのかを知り、うまく進行するためのコツを知ることで業務に役立ててくださいね。

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サービス担当者会議とは

サービス担当者会議とはケアプラン原案をもとにサービス担当者を招集し、原案の内容を協議する場になります。サービス担当者には主治医やインフォーマルなサービスに関わる人も含まれ、利用者の生活にかかわりを持つチームを構成する人全員が対象になります。

ケアプランの作成時や利用者の状況に変化があった場合などに開催し、参加者の意見を聞きながら目標の設定やケアの内容を検討・決定していきます。

評判の悪いサービス担当者会議サービス担当者会議

事業所から評判の悪いサービス担当者会議の主な理由です。自分は大丈夫かをチェックしてみてください。

時間が長い

サービス担当者会議の開始時間は指定されその時間に集合しますが、終了時間が決まっておらず、ダラダラといつまでもおしゃべりしているような会議に参加したことはありませんか。

参加者は忙しい時間をやりくりして参加されています。終わりの時間がはっきりしないようなサービス担当者会議ではその後の予定にも影響を及ぼすだけでなく、ケアマネジャーとしてのファシリテーションの能力を疑われることになりかねません。遅刻者や途中で抜ける参加者が多いケアマネは要注意です。

開始、終了時刻はきちんと設定し、時間厳守で実施するようにしましょう。

時間は参加者の人数や内容にもよりますが45~60分くらいが妥当だと言えるでしょう。

ケアプランを読んでいるだけ

サービス担当者会議にたくさんの担当者が集合したにもかかわらず、ケアマネが自分の作成したプランを読み上げて終了というような場面も見かけます。1時間かけて参加者がほとんど発語しないような会議は会議とは言えません。

ケアプランをただ読み上げるだけでの形式だけの会議をするようなケアマネのサービス担当者会議に積極的に参加しようという事業所は少ないです。ケアマネジャーのワンマンショーにならないように気を付けましょう。

参加確認の連絡をしても欠席者が多いケアマネジャーは自分のサービス担当者会議の内容を一度振り返って、参加者にとって有意義なものになっているか考えてみてください。

 

サービス担当者会議の事前準備

サービス担当者会議を成功に導くためには、事前の準備が不可欠です。具体的にはどのように準備していくのが良いかをひとつづつ説明していきます。

日程調整

日程は本人と家族の予定をもとに決めます。全員が集まれるように調整できるのが一番ですが、参加事業所が多くなれば全員が集まることが難しい場合も出てきます。

特に開催日まで時間がない状態で、全員に参加を求めるのはかなり無理な調整が必要になります。なるべく時間に余裕をもって調整が出来るように早めから動きましょう。

まず、必ず参加してほしい人に電話等で大まかな参加可能日を聞いておき、候補日を設定します。

その後、書面で全員の参加の可否のお伺いを立てましょう

書面には以下のことを記載しておきましょう。

・開催日時

開催日、曜日、開始、終了時刻も必ず記載します。

・開催場所

開催場所は原則はご自宅です。デイサービスなどで実施する場合は会議が開催中はサービスの算定ができないため事業所に迷惑が掛かりますので避けましょう。ご自宅でどのような生活をされているのかをベースにしましょう。

・会議内容の概要

事業所に準備やヒヤリングしておいてほしいことがあれば記載しておきましょう。特に在宅系のサービスでは主にサービスを担当している人と参加者が違う場合も多く、実際のサービス中のご様子や気になる点を担当者から聴取していてもらいましょう。

・参加可否の回答

出席、欠席と参加者名や人数を把握します。場所の状況によっては人数を制限させていもらいましょう。自転車の置く場所や駐車場などにも考慮し、近隣に迷惑が掛からないような配慮も必要です。

欠席者に対して

万一、都合がつかず欠席される場合には事前に意見を聞いておきましょう。この際にはケアプランの原案を交付し、ヒヤリングをするか、書面での回答をいただきましょう

特に主治医には医療系サービスや福祉用具に対する意見や日常生活上での留意事項などをしっかりと聴取しておきます。

サービス担当者会議の進行

時間を守る

開始時間になれば始められるようにケアマネは少し早めに行って段取りをしましょう。本人や家族に負担をかけないような配慮も必要です。座る位置の確認や会場になる部屋の準備などは許可を取ったうえでケアマネ主導で行いましょう。

開始時刻5分前になっても来られない場合は連絡を取るなどしておきましょう。

参加者にはあらかじめ準備した資料を配布し目を通してもらうことで、資料の読み込みの時間を短縮することができます。

開始時刻だけでなく、終了時刻も必ず守るようにしましょう。時間の延長は参加者に多大な迷惑をかけてしまうことを肝に銘じてください。

そのためには効率的に会議を進行できるようにする工夫をしましょう。

レジュメを作る

サービス担当者会議に慣れていないケアマネは、参加者の話のペースに合わせてしまい、最初の段取り通りにうまく進められないということが見られます。

段取り良く進行するためには、レジュメを作成しタイムスケジュールも記載しておくことも大事です。タイムスケジュールにより全員が進行を確認することができるようにし、サービス担当者会議の冒頭で時間通りの進行への協力を求めます。

レジュメを作成しておき議論の内容を明確にすることで、きめられた内容の発言に限局し議論が違う方向へ行かないようにすることができます。

また、ケアマネ自身も進行の段取りを確認でき、議論の必要なことを事前に洗い出しておくことはサービス担当者会議だけでなく、様々な場面で応用できるスキルにつながります。

自己紹介

定刻になれば、参加者の自己紹介をしてもらいます。利用者本人、家族の紹介を行った後に、サービス事業所の事業所名と職種名、名前を言ってもらいましょう。

欠席者がいる場合には欠席者の紹介もして、利用者を支えるチーム員であることの意識を共有します。

ゴールを共有する

会議の冒頭ではこの会議の開催の趣旨を説明し、何を決めるのかを共有しておきます。

ケアプランの内容を決めるための会議では、何のためにそのサービスを利用するのか、サービス利用によって期待するものは何かを明確にしてきましょう。

利用者や家族が自分の言葉で伝えられない場合はケアマネが代弁するようにします。

利用者が掲げる目標がこの部分に大きく影響し、サービス提供の方向性が変わってきます。アセスメントで利用者や家族が望む生活を具体的に明確にできていることが前提になります。

アセスメントや目標設定の考え方はコチラの記事が参考になります。

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参加者全員が発言する

ケアマネは発言が特定の人ばかりに偏らないように進行していく必要があります。

欠席者の意見も事前に書面又は電話等で確認しておき、共有するようにします。

発言の少ない参加者に対しては「〇〇さんはどう思いますか?」と話を振っていきます。

話が長い発言者に対しては話の切れ目で「ありがとうございます。〇〇さんのお話を要約すると~ということですね。では・・・」というように話を挟みます。聞きたいことがあれば「〇〇については△△ですか」とクローズドクエスチョンの形で質問することで話が長くなりにくく、このような場合にはおすすめでの質問の仕方です。

ケアマネは進行役

サービス担当者会議においてはケアマネは進行役に徹します。自分の意見を述べて、自分が主役になろうとしない意識が大切です。

1.予定通りの進行、

2.決めなければいけないことを解決する

3.想定していたこと以外の課題がないかを確認する

4.決定事項を共有する

これらを行うのが、サービス担当者会議におけるファシリテーターとしてのケアマネの役割になります。

サービス担当者会議の終了後

サービス担当者会議が終了すれば一安心ではありません。サービス担当者会議の終了後に何をしなければいけないかを説明します。

書類の回収

会議で配布した書類は、場合によっては回収します。特に居宅サービス計画書の原案に基づいてサービス担当者会議を行い、内容が変更になった場合は、サービス事業所内で原案が本プランすすり替わってしまう危険性をなくすために必ず回収しましょう。

ケアプランの配布

ケアプランが確定した場合、速やかにケアプランを事業所に配布するようにします。また、配布した際は配布したということを書面に記録する必要があります。「ケアプランの交付・受領書」の配布。回収や支援経過への記録を忘れないようにしましょう。

会議議事録の交付

サービス担当者会議後には「サービス担当者会議の要点」を作成します。時間がたってしまうと作成を忘れてしまい、内容もあいまいになってしまします。終了後速やかに作成できるように業務のスケジューリングをしておくようにしましょう。

また、当日の欠席者に対してはケアプランの交付と共にサービス担当者会議の要点の内容を共有するなどで、決定事項を伝えるようにします。

まとめ

ダメなサービス担当者会議と参加者にとって有意義に感じられるサービス担当者会議の違いがわかりましたか。

1.事前準備を怠らない
2.欠席者からの意見を聞いておく
3.サービス担当者会議は進行役であることを意識する
4.ケアプランの目指すべき姿を共有する

を意識して、有意義なサービス担当者会議にしてくださいね、

サービス担当者会議を学ぶための

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寺岡 純子

合同会社カサージュ 代表
主任介護支援専門員/BCAO認定事業継続管理者/看護師
急性期の看護師を経験した後、1999年に介護福祉の世界に転向
前職場では、介護事業の運営と約400名の部下育成に携わる
現在は、独立し居宅介護支援事業所を運営する傍ら、介護研修事業を展開
特に、介護BCPは介護現場とBCPの両方を理解している講師としてさまざまな方面から高く評価をいただく

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