介護職員の定着率の低い事業所は職員の不満の原因を把握していますか。いろいろな事業所で働いていた人の話を聞くと、本当にひどいと思われる事業所が多いと感じさせられます。
ただし、どこまでが本当なのか、特定の上司や先輩が問題なのかによって対応方法は変わってきます。
今回は、介護職員がブラックな事業所だと感じているポイントをお伝えしたいと思います。
介護職員の不満と対処法
介護職員が退職を考えるブラック事業所とは
- サービス残業がある
- 休日出勤が当たり前
- 残業が多い
- 夜勤回数が多い
- きちんと仕事を教えてくれない
- 人によって仕事の負担にばらつきがある(仕事を押し付けられる)
- 上司が話を聞いてくれない、問題に対して対応してくれない
- 上司のパワハラ
- 給料が安い
このような職場は、誰でも嫌なのではないでしょうか。では職員に嫌われないためにはどうすればいいのでしょうか。
それは、上記のようなことをしないことです。
介護事業者が目指す脱ブラック事業所
- 残業は月に20時間以内を目標にし、残業代はきちんと支払う
- 人材育成の仕組みを作り、教える側、教えられる側の話を聞く機会が持て、課題があれば早いうちに対応する
- 職場の長や管理者等への育成の仕組みを作る
- 人員不足を解消するために有効な手立てを打つ
優秀な経営者であれば、それほど難しいことではないように思います。内部で仕組みを作るのが難しい場合には、外部の力を借りることも必要だと思います。
人員の確保に関しても、広告の出し方や紹介会社の利用などお金をかけることで早急に状況が改善した事例をたくさん見てきました。
要は、どこにお金をかけるのかを見誤らないことです。退職者が多く、人員不足の状況が経営に及ぼす影響を考えた時、有効な手段や先行投資をきちんとしておくことで、将来その分をしっかりと回収する計画を立てることも可能になります。
もし、行き当たりばったりで介護事業を行っているような事業者であれば、先は長くないでしょう。
介護事業所が増え、実地指導の煩雑さ、指導事項の増加などを勘案すると、この先は介護福祉士を採用し、質の高い介護を提供できる優良な事業所しか生き残ってはいけなくなるでしょう。そのことに気が付いて手を打ち始めている事業所も増えてきています。私のもとにもたくさんの相談をいただくようになりました。
経営者のための課題整理のセッションを行っています。以下の記事も覗いてみてください。
介護事業の経営者はどうあるべきか
経営者さん自身は現場で起こっている状況を把握されていないことが多いことも問題なのですが、だからと言って事業所へ巡回し。その時に目に入ったことだけを真実とはとらえないで欲しいと思います。問題のある社員は上に対しては実にうまく立ち回りができる能力を持っています。また、経営者に直接社員が本心や不満の内容を伝えてくれるとも思えません。
経営者たるもの平等に公正中立な視点で物事を見る必要があります。そのための仕組みが必要になってきます。360度評価を取り入れてみるのも良いかもしれません。問題のあると思われる社員を把握し育成のヒントになるでしょう。
重要なのは、問題のある社員を排除することではなく、能力を伸ばすためにどうしていくのかを考えることです。どんどん人が採用できる業界ではないことから、採用した貴重な人材をいかに育てていくのかという長期的な視点を持ち、共有していくことで社員のモチベーションの向上にもつながるのではないでしょうか。
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まとめ
経営者の知らないところで、自分の事象所がブラック事業所だという噂が立つ前に対策を打っておきましょう。
- 残業は月に20時間以内を目標にし、残業代はきちんと支払う
- 人材育成の仕組みを作り、教える側、教えられる側の話を聞く機会が持て、課題があれば早いうちに対応する
- 職場の長や管理者等への育成の仕組みを作る
- 人員不足を解消するために有効な手立てを打つ
事業所にするための仕組み化をすること、自社内で難しい場合には外部の力も借りることを考えることです。
素敵な介護士を育成し、日本の介護の未来を明るくしていきましょう。