先日、テレビでアメリカの鉄道会社の最高経営責任者が変装をして現場に潜入し、問題点を発見するという番組を見ました。
皆さんの事業所では経営のトップがきちんと現場の声を聴ける仕組みはありますか。
仕組みはあっても、個人的な不満や愚痴ばかりが上がってくるという場合も多いのではないでしょうか。
経営を安定させるのに大切なことは、経営者の手腕と社員を大切にするということが一番です。
部下200人と面談した背景
私が、20の事業所を統括していた時も不満を訴えてくる社員は一部でそのほとんどが言いたいことを言えずにいるのではないかという状況ではないかと想像できました。
不満の中で一番多いのが人間関係に関するものです。上司に対するものもあれば、同僚に対するものも多く事業所内の人間関係の悪さがストレスになっている社員の多さにびっくりしました。
そのような事業所内は雰囲気も悪く、利用者にもそれは伝わってしまいます。サービスの質を上げられず、売り上げも伸び悩みます。また、退職者も多くその補填に係る採用費用や派遣の費用が経営を圧迫することは目に見えていました。
そこで、事業所の課題を明らかにするために、部下全員と面談を実施することにしました。
全員面談の結果から見えてきたもの
結果は予想通り、事業所の経営状況が悪い、売り上げが伸び悩んでいる事業所からはたくさんの不満を聴取しました。
その中で予想に反したのが、私が部下から慕われているであろうと思っていた、月の売り上げが1000万あり、毎月大きな黒字を出している大型拠点の管理者に対し、社員のほとんどが不満を抱えていたと言いうことでした。
不満の内容は普段上司と接しているだけではわからないような現場での部下に対する振る舞いや、仕事への姿勢というものが大半でした。
部下の評価のポイント
上司が部下を評価する際にはどのような面を見ているのでしょうか。
- 経営計画を達成している
- 売上を上げるために努力している
- 指示したことをきちんとやっている
- 納期を守って仕事をしている
- 部下からの苦情が上がってこない
どうでしょうか。上司が迷惑をか、得られないような部下が評価できる部下と考えられる傾向にあると思います。
部下が上司を評価するポイント
では逆に、部下から見た上司の評価ポイントは聞き取りの結果からは以下のようになりました。
- 話を聴いてくれる
- 否定しない
- スタッフの味方になってくれる
- 自分も良く動いてくれる
- 上司の評価ばかりを気にしない
というようなものでした。いたって普通に感じますが、普通のことができていない人が多いということです。
介護の現場を円滑に運営するポイント
介護の現場を円滑に運営するためには、管理者の能力を上げ、現場スタッフの士気を下げないようにすることが第一です。しかしながら、管理者の能力を上げるような育成ができていない事業所がほとんどなのが現在の介護事業所の現状です。いかにして管理者の能力を引き上げるのか、経営者としての判断が事業所の未来を左右するといってもいいでしょう。
360度評価を実施するために
360度評価をするかどうかは、経営者の意思一つです。
びっくりするような内容を聞くこともあるでしょう。ここで大切なのは自分の部下だけではなく、経営者自身の評価も得られるような仕組みを作ることだと思います。
経営者の強化が悪いような事業所は従業員のためにも利用者のためにもあり方を考えるべきだと思います。