ケアマネジャーってどんなサービスについてもよく知っていないといけないのですが、実際は使ったことがないサービスやあまりメジャーでなくてよくわまらないサービスってありますよね。 そんな不遇なサービスを少しでも理解できるように解説してみたいと思います。
ますは、小規模多機能居宅介護から、すでに居宅でのサービスを利用されている方および居宅のケアマネジャーの目線で解説します。
小規模多機能型居宅介護とは
小規模多機能型居宅介護とは、平成18年に介護保険制度で創設された地域密着型サービスの一つです。「通い」を中心に、「訪問」や「泊まり」を一体的に提供するのが特徴です。 ここでよくされる誤解です。 あくまでも「通い」を中心としています。よく勘違いされるのが、「訪問」いわゆる訪問介護の仕事を無制限に行ってくれるのでしょと言うもの。 あくまでも「通い」というデイサービスが中心なので、「訪問」に行ける時間はどこの事業所もそんなには取れないのが現状だと思います。例外もあるかもしれませんが、私の知っている事業所で「訪問」を中心にしている事業所は聞いたことがありません。 ですから、訪問介護のサービスのように1時間以上のサービスを日中に定期的に依頼されても対応が出来ないと言われてしまうことがあります。
介護報酬について
介護報酬は介護に応じての月額報酬になります。通所、訪問、泊りを組み合わせて利用しても定額のため(食費・宿泊費は別)それぞれのサービスで支給限度額を超えてしまうことがありません。
介護度 | 要支援1 | 要支援2 | 要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 |
同一建物外 | 3,403 | 6,877 | 10,320 | 15,167 | 22,062 | 24,350 | 26,849 |
同一建物内 | 3,066 | 6,196 | 9,298 | 13,665 | 19,878 | 21,939 | 24,191 |
初期加算(登録日から30日間) 30単位/日、 認知症加算 800・500単位/月、 看護職員配置加算 480・700・900単位/月 訪問体制強化加算 1,000単位/月 総合マネジメント体制強化加算 1,000単位/月 サービス体制強化加算 350・500・640単位/月 生活機能向上連携加算 100・200単位/月 若年性認知症受入加算 450・800単位/月 栄養スクリーニング加算(6月に1回を限度) 5単位/回 介護職員処遇改善加算 介護給付費×4.2~7.6% 月途中での区分変更や利用開始、契約終了などの場合は日割り計算になります。
サービスの特徴
事業所ごとに登録定員が決められており、1事業所での最大登録定員は29名です。1日あたりの通いの定員は18名、1日あたりの宿泊の定員は9名が最大となっています。 小規模多機能型居宅介護は24時間・365日利用することが可能です。
通常の通所介護、訪問介護、ショートステイのサービスは利用することができません。
ケアプランは小規模多機能居宅介護事業所の計画作成者(ケアマネジャー)が作成します。
メリット
小規模多機能居宅介護の良いところは、個々に合わせて柔軟なサービスの提供ができることです。
朝、会社に行く前に送って行って、帰りに迎えに行くことで長時間の通いのサービスを受けることも可能です。常に安心な環境でいられることは在宅限界点を上げていくためには有効です。
- 通いの時間設定がデイサービスと違い、柔軟な対応が可能(午前のみ、長時間など)
- 少人数のため、1人1人に寄り添ったきめ細やかな対応が受けられる
- 同じなじみのスタッフで「通い」、「訪問」、「泊り」のサービスを受けることができる
- 通いや泊りの回数が増えても、支給限度額オーバーの心配がない
- 家族の都合で急に「泊り」のサービスが必要になった場合でも対応が可能な場合が多い
デメリット
デメリットの一番はやはりケアマネジャーの変更が必要なことでしょう。
今までに他のサービスを利用されていた場合はケアマネジャーだけでなく訪問介護や通所介護の事業所も変更する必要が出てきてしまうので環境がガラリと変わってしまいます。
「通い」「訪問」「宿泊」サービスで不満なサービスがあっても、その部分だけ他のサービスを使うということが出来ません。事業所の都合で自分が受けたい介護を受けられない可能性も出てきます。
福祉用具の貸与や訪問看護、訪問リハビリ、居宅療養管理指導(往診・歯科)のサービスは併用することができますが、小規模多機能も月額報酬の残り分で利用する必要があるため、注意が必要です。
事業所選びで気を付けること
事業所数はあまり多くないことと、事業所で定員数が決まっているため、利用者のニーズや課題と必要とされている介護の提供が可能か、事前に事業所側にしっかりと確認しておきましょう。
事業所を変更してから、こんなはずではなかったというようなトラブルが発生しないようにしておく必要があります。
このようにメリットもデメリットもあるサービスですが、今までのサービスでは、在宅での生活が難しくなってきた方で、施設はどうしても嫌だという人にとっては入所時期を延ばせるサービスではないかと感じています。
ケアマネジャーとしてサービスの選択肢をたくさん持っておいて、ここぞという時には提案して下さいね。