3種類の認知行動パターンを攻略するコミュニケーション術

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コーチングセッションをSkypeやMessengerの無料通話を使用してされるコーチがいらっしゃいますが、本当にすごいと思います。

私も音声だけでコーチングすることもあるのですが、音声を追いかけることに必死ですごく疲れます。

このようにコミュニケーションの方法で得意、不得意が見られるのは、人はそれぞれどのような形で情報を獲得し、認識するのが得意かの「認知特性」によるものです。

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認知特性とは

認知特性とは、神経心理学の分野で用いられる視覚、聴覚、味覚といった五感を中心とした感覚器から入って来る外部からの情報を記憶したり、処理したりする、表現したりする方法です。

情報処理の方法は個人の「認知特性」によって異なり、認知特性に合わない方法でのコミュニケーションは意思の疎通がうまくいかなかったりする原因になります。日常生活でコミュニケーションがうまくいかない場面は誰しも経験があると思います。

人の顔がなかなか覚えられない、電化製品などの取扱説明書を読むのが苦手、奥さんが髪を切ったことに気が付かないということが多いのは、この認知特性による場合があるのです。

自分の認知特性、相手の認知特性を理解することでコミュニケーションを円滑にする工夫をしていきましょう。

「認知特性」の分類

みくにキッズクリニックの本田真美先生によると、認知特性は6つのタイプに分けられています。

認知特性の6つの種類

1.視覚優位者  

 ①写真のように二次元で思考するタイプ  

 ②空間や時間軸を使って三次元で考えるタイプ

2.言語優位者  

 ③文字や文章を映像化してから思考するタイプ  

 ④文字や文章を図式化してから思考するタイプ

3.聴覚優位者  

 ⑤文字や文章を耳から入れる音として処理するタイプ  

 ⑥音色や音階といった音楽的イメージを脳に入力するタイプ

本田医師の著書『医師の作った「頭の良さ」テスト~認知特性から見た6つのパターン~(光文社新書)』に認知特性テストを参考にしてください。

40問の質問に答えると6つのタイプがレーダーチャートで分かるようになっています。

以下のサイトからもダウンロードできます。

本田式認知特性テスト診断ツール

認知特性は重複している部分んもあるため、このタイプときれいに線引きできるものではなく、このタイプとこのタイプの両方の特性を持つという場合も多いです。

中には6つの特性をバランスよく併せ持っているタイプや、一つに特化したタイプの人もいます。

自分の認知特性がどのようなバランスになっているか、是非診断してみてください。

視覚優位者

①写真のように二次元で思考するタイプ  

目で見た情報を処理することが得意なタイプです。

記憶をするときに映像として、いわば写真のような状態で頭に中の引き出しにしまっておく感じです。記憶の膨大な写真集を持っています。このタイプは人の顔を見分けることを得意としているので、カメラマンなどに適しています。

②空間や時間軸を使って三次元で考えるタイプ

このタイプは同じ視覚優位者でも、写真のように二次元で思考するタイプと違うところがあります。それは、空間と時間という軸が加わっていることです。写真のように平面的にとらえるのではなく、物事を奥行や角度も含めて立体的にとらえて記憶します。人の顔を認識するときも正面から見たものではなく、奥行や表情までも読み取るようにします。見たものを時間の経過に沿って、順序良く説明できるのもこのタイプの特徴と言えます。

言語優位者

読んだ情報を処理することが得意なタイプです。

このタイプの人は子供のころ、読書感想文を書く事を苦痛に思わなかった人が多いです。

③文字や文章を映像化してから思考するタイプ

このタイプはイメージしたことを言語化することが得意とします。コピーライターや作詞家などはこのタイプが成功します。        

本や小説などの文章を読むと、その場面を容易に想像することができ、文章よりかは映像としてイメージし記憶に定着させます。それとは逆に映像を言語化することも得意とします。

イメージを言語化する思考は論理的思考者とも言えます。イメージをつかさどる右脳と、言語をつかさどる左脳がバランスよく発達していると言えます。

④文字や文章を図式化してから思考するタイプ

このタイプはわかりにくい文章でも、それを図式化して考えることを得意とします。言語を映像としてイメージするタイプとは異なり、このタイプの人は言葉に文字や数字、図式というものをあてはめていき、系統立てて考えるのが特徴です。わかりやすくノートにまとめることを得意とします。学生時代に書いて覚えた人はこのタイプに多く見られます。内科系の医師や作家などはこのタイプが多く見られます。

聴覚優位者

このタイプの人は子供の頃に音楽を聞くのが得意だったり、おしゃべりをするのが得意だった人が多いです。

⑤文字や文章を耳から入れる音として処理するタイプ

言葉を見て記憶することが得意な、言語優位者に対し、このタイプは言葉を耳から聞くことを得意とします。音声という聴覚からの情報のみで言語を脳に定着させることが大きな特徴です。言語を優位とする点では文字や文章を図式化するタイプと似ている点もあります。聴覚優位者が右脳優位であるとすれば、このタイプは言語をつかさどる左脳優位と言えます。

相手が話している音声のみで内容を理解することができ、イメージではなく言語そのものを思考としてとらえます。観劇やミュージカルのセリフなどをそのまま言語で記憶することができます。 耳から聞くことで記憶できるこのタイプは リスニング教材やラジオ講座などの聴覚から情報を入れるものが効果的です。 

⑥音色や音階といった音楽的イメージを脳に入力するタイプ

聞いた情報を処理することが得意なタイプです。

文字や文章を音として取り入れることを得意とするタイプ同様、聴覚的な耳からの情報の入力を得意としますが、音階や音色といった言語的には意味を持たない情報もイメージとしてとらえることができるタイプです。音楽家に多く、絶対音感という聞くだけで任意の音の高さを判断出来たり、自らの声や楽器で任意の高さの音を作り出せる特殊な能力がある人がいます。

コミュニケーションのコツ

このように認知特性は人それぞれに違うため、情報のとらえ方が変わってきます。相手のタイプを細かく知ることは難しいですが、「なぜわかってくれないの?」ではなくその人に応じた情報の入れ方が必要になってくるのです。では、どうすればいいでしょうか。

1.視覚優位者には電話では伝わりにくいので、対面でのコミュニケーションを基本とする。表情などにも気を配る。仕事では、複雑な内容は視覚的に理解できるようホワイトボードや紙に書くようにする。会議などで資料にまとめる場合、重要なポイントや伝えたいことにはマーカーなどで目立つようにしておく。

2.言語優位者にはメールやLINEを活用する。仕事では報告書などで伝えるようにする。長文になっても理解できる能力が高いので、伝えたいことを文章化するようにする。

3.聴覚優位者は聞くことが得意なので、会話を重視しましょう。聴覚が発達しているため雑音も情報となってしまう場合っがるので、静かな場所で話をするなど環境には気を配りましょう。

これらを参考に、どのやり方だと通じやすいかを試してみて、コツを掴んでコミュニケーションの場面にうまく利用していきましょう。

寺岡 純子

合同会社カサージュ 代表
主任介護支援専門員/BCAO認定事業継続管理者/看護師
急性期の看護師を経験した後、1999年に介護福祉の世界に転向
前職場では、介護事業の運営と約400名の部下育成に携わる
現在は、独立し居宅介護支援事業所を運営する傍ら、介護研修事業を展開
特に、介護BCPは介護現場とBCPの両方を理解している講師としてさまざまな方面から高く評価をいただく

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