親の介護を考え始めたらまずやっておくべき3つのこと

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皆さんの中にはそろそろご両親の介護が気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

介護が必要になるのは今すぐではないかも知れませんが、実家暮らしでない方は帰省の際に、まだお元気なうちから将来に備えての会話をしておくことをオススメします。

押さえておくポイントをまとめましたので参考にしてください。

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1.親の介護に対する意向を確認する

介護が必要になったからといってその方の尊厳を無視するようなことがあってはいけません。

ところが、実際には介護が始まると介護をされる側の尊敬は考えられなくなってしまう介護者の方が残念ながら増えてきます。

どこで、どのような介護を受けたいか、どんな生活をしたいか、家族か介護のプロかどちらの介護をメインに受けたいと思っているのかなど、細かいところまで聞いてみましょう。

もちろんこの通りに行くとは限りません。どこの部分が難しいのかが分かれば対応が出来ることもありますし、ご両親に説明しておくことも出来ます。

実際に介護が必要になってから、ご両親が自宅で家族からの介護を受けたいと望んでいることが出来ないとなればご両親との間に溝が出来たり、泣く泣く仕事を辞めなければならなくなるというような事態も起こりかねません。

介護をする側にも人生や生活があります。まだ、元気なうちから出来ないことをしっかりと伝えておくことは、とても重要なことです。

2.介護の意向は家族で共有する

家族が集まる機会を持つ

お正月やお盆等には家族が集まって、家族会議が出来れば理想です。時々帰省して今までできていたことに変わりはないかを確認し、日常生活に支障が出ていないかを確認しましょう。自然な流れでもし介護が必要になった時にはどのようにしたいのかを確認するようにします。

また、同じ話を何度もされたり、冷蔵庫の中に同じものを購入しているなどの様子があり、認知症に気が付いたという事もよく見られることです。

皆が揃うのはなかなか難しいこともありますので、生活の様子や介護の意向について確認したことは家族で共有するようにしましょう。

介護が始まってから兄弟間で意見の食い違いがありトラブルを起こすという事はよくありがちです。常日頃より、本人がどのように思っているのかを知っておくことが重要です。

エンディングノートの活用

本人の介護に対する意向を確認するには、エンディングノートを書いてもらうのも非常に有効な手段です。その場合はノートの保管場所を共有するように本人にお願いしておきましょう。

エンディングノートが死をイメージさせて抵抗される方はまだ多いようですので、上手な説明をする必要もあります。親だけに押し付けるのではなく家族全員で記入するというのも良いでしょう。

私が最初におすすめするエンディングノートはなるべく項目が少ないものです。たくさんの項目があるものは見た目はしっかりしているように見えますが、すべてを記入しようと思うと途中で挫折してしますリスクが高くなります。

3.家族で役割分担を決めておく

いざ介護が必要になった時には、できる限りのことはしてあげたいと思うかもしれません。しかし、介護はいつ終わるかの予測をすることはできません。

最初は大丈夫と思っていても、徐々に負担になる場合もありがちです。自分たちの担える範囲をあらかじめ決めておいた方が良いでしょう。

無理をして自分たちの生活に支障を来すようになる事は避けるべきです。

あらかじめ家族間で決めておいた方が良いと思われるポイントを挙げておきます。

役所やケアマネージャーとの連携

介護保険を利用する場合、ケアマネージャーと連絡を取り合うことが多くなります。この場合の窓口は一つにしておいて、その人が責任を持って他の家族と調整する方がスムーズになります。

しかし、他の家族がケアマネージャーに連絡できないのではなく、ケアマネージャーから他の理由家族と話がしたいと言われることもあります。ケアマネジャーは家族全員の状況を把握し、それぞれに過度の負担がかからないように調整もしてくれます。

実際に介護を行うことが可能な人

実際に自分か介護を担わなくてはいけないのではないかと思われる人もいるでしょう。どのような介護が必要になるかによってその負担は大きく異なります。誰がどこまでできるのかを確認しておくようにしましょう。

夜間帯の対応について

昼間は動くことが出来ても、夜間帯の対応は難しい場合もあります。逆に夜間であれば対応が可能という場合もありますので、誰が担当するのかを決めておくと良いでしょう。

金銭的な援助

近くに住んでいなかったり、仕事などの事情で直接的な介護が難しい場合もあります。そのような場合は介護にかかる費用や介護を担ってくれている家族へ、可能な範囲で金銭的な援助をするようにしましょう。

何もしないと、後々揉める原因にもなります。介護が始まって一番最悪なのは、手伝いもしないで、お金も出さずに口だけ出す人です。

色々な事情で直接介護することが難しい方も多いと思います。それ自体は構わないと思いますが、その場合には口出しも我慢してください。

まとめ

介護に対する意向は、今考えた事が絶対ではなく、各々状況は変わります。したがって定期的に確認し会える機会を持つようにすると良いでしょう。

大事なことは介護を受ける立場の人の意向を大事に考えながら、家族も自分たちの負担が大きくなりすぎることが無いように先先のことまでよく考えて、無理のない介護をしていくことです。

寺岡 純子

合同会社カサージュ 代表
主任介護支援専門員/BCAO認定事業継続管理者/看護師
急性期の看護師を経験した後、1999年に介護福祉の世界に転向
前職場では、介護事業の運営と約400名の部下育成に携わる
現在は、独立し居宅介護支援事業所を運営する傍ら、介護研修事業を展開
特に、介護BCPは介護現場とBCPの両方を理解している講師としてさまざまな方面から高く評価をいただく

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