ケアマネジャーに不満があれば変更できる?主任ケアマネが解説

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ケアマネジヤーと利用者とは、人と人との関係なので、時には担当のケアマネジャーとウマが合わないと感じている人がいるかもしれません。

ケアマネジャーを変更したいと思うこともあるのではないでしょうか。

ケアマネジャーに不満がある場合、どうやって解決をしていくの良いかについて、具体的な方法を主任ケアマネの立場からお教えしたいと思います。

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ケアマネジヤーは変更が可能

そもそも、ケアマネジャーって変更しても良いのかと疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。

ケアマネジャーを変更することは問題ありません。また、ケアマネジャーを変更したからと言って今まで利用していたサービスが利用できなくなることはありません。当然のことながら、ケアマネジャーを変更したからといって不利益を被ることはありません。

ケアマネジャー変更の前に気をつけること

ケアマネジャーはいつでも変更することは可能なのですが、まったくトラブルが起きないわけではありません。そうならないように、少し気を付けておいた方が良いことを覚えておきましょう。

急に変更しない

ケアマネジャーに対して不満があったりすると、すぐにでも別の事業所のケアマネジャーに変更したいと思うかもしれません。

しかし、介護保険のサービスを利用するためには、ケアプランが必要であり、ケアマネジャーを変更するとそれに伴ってケアプランも作り直す必要があります

ケアプランを作成するにはいくつかの過程があり、初めて会うケアマネジャーはまずご利用者のいろいろな情報を知ることから始まります。そして、ケアプランはサービス担当者会議というサービスの利用に関係する事業所や本人、家族が集まり会議を開いて決定されなければなりません。そのため、ケアプランを作り直す期間の猶予を持っておくのが望ましいです。

なお、同一月でケアマネジャーが交代になった場合、転居で他の保険者に変わった場合などを除いて、月末に担当しているケアマネジャーにしか介護支援費の支払いはされません。したがって、スムーズにケアマネジャーを変更するときはなるべく月初の日付で変更するようにしたほうがよいでしょう。

黙って変更はできない

ケアマネジャーを交代するときには、他事業所のケアマネジャーであっても引き継ぎが行われることも多く、どのケアマネジャーに変更したかをわからないように黙って変更するということはほぼ不可能です。

逆にそのようなことをしてしまうと、新しいケアマネジャーにも警戒されて最初から良いイメージを持たれない可能性があります。

ですから、ケアマネジャーを変更する際には急に変更するのではなく、のちにトラブルが生じないよう計画的に実施するようにしましょう。

どうしても直ぐに変更したい時

とは言うものの、ケアマネジャーに対してどうしても許されないことがあって、すぐにでも変更したい場合もあるかも知れません。

この場合は、そのケアマネジャーの所属する事業者の管理者や地域包括支援センターに相談しましょう。

第三者にまず話をして、すぐに変更することが妥当と思ってもらえれば協力をしてもらうこともできます。また、自分はとても腹が立っていたけど、少しの誤解であったり自分の主張が間違っていたということもあるかもしれません。

違う専門家に状況をはなし、公正中立に判断してもらう機会を持つことは大事なことです。面倒と感じるかもしれませんが、それにより自分の主張が認められてすぐにでもケアマネジャーを交代するための支援をしてくれることにもつながるでしょう。

ケアマネジヤー変更のパターンはふたつ

ケアマネジャーを変更するパターンには、次の2つの方法があります。

同じ事業所で他のケアマネに変更してもらう

複数のケアマネジャーが所属している居宅介護支援事業所であれば、他のケアマネジャーに変更をしてもらうことができます。

この場合、事業所との契約のし直しや保険者への届け出の必要がなくスムーズに引き継ぎを行うことが可能になります。

居宅介護支援事業所ごと変更する

ひとりケアマネだったり、居宅介護支援事業所ごと変更したい場合には、新しい事業所を探さなくてはなりません。

ケアマネ都合で事業所の変更が必要になったときには、次の事業所はケアマネジャーの方で探して引き継ぎまでしてくれますが、自己都合の場合は自分で探さなくてはなりません。

地域の事業所の情報の一覧を見て電話をかけて事情を話す、地域包括支援センターに紹介を依頼するなどで次の事業所を見つけましょう。

ただし、ケアマネジャーを個人的に指名したり、条件を指定することは基本的に受け付けてくれないことも多いです。

何故なら、ケアマネジャーの退職や異動などの事業所の都合でケアマネジャーの交代をしなければならないことがあります。このような場合に女性限定や看護師の資格を持っている人などの条件を受けていると、交代できるケアマネジャーがおらず、トラブルになることがあるからです。

私の経験上は、女性のケアマネジャーを希望される方は、独居の女性の利用者さんが多かったです。その場合、男性のケアマネジャーでも問題なかったり、逆に男性が来てくれる方が安心と言われる方も多々あります。

時々、男性の利用者で女性限定と言ってこられることもあるのですが、そんな時は管理者としては逆に構えてしまいます。

また、看護師の資格を持っているケアマネジャーを希望されることも時々ありますが、絶対数が少ないのでなかなか難しいです。このようなときには、医療法人系の居宅介護支援事業所に依頼すると看護師ケアマネが所属している確率が高くなったり、医療に強かったりするのでおすすめです。

まとめ

ケアマネジャーに不満があり、交代を希望する場合にはそれも可能です。交代を希望する際にはまず、第三者に話を聞いてもらいましょう。そして、日程に余裕を持つ、出来るだけ月初のキリの良い日から交代するとトラブルが少ないです。

良い介護のためには、ケアマネジャーとの信頼関係が必要です。普段から不満や疑問に思っていることなど、何でも気軽に相談できる関係性が一番大事になります。

ケアマネジャーの交代を考える前に、気になっていることをケアマネジャーに話をしてみることから始めてみではいかがでしょうか。

 

寺岡 純子

合同会社カサージュ 代表
主任介護支援専門員/BCAO認定事業継続管理者/看護師
急性期の看護師を経験した後、1999年に介護福祉の世界に転向
前職場では、介護事業の運営と約400名の部下育成に携わる
現在は、独立し居宅介護支援事業所を運営する傍ら、介護研修事業を展開
特に、介護BCPは介護現場とBCPの両方を理解している講師としてさまざまな方面から高く評価をいただく

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