腎臓病の食事制限を成功させるおすすめの方法

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今日は看護師とケアマネの視点から腎臓病で食事制限が必要な方の食事について考えてみたいと思います

私の父も食事制限を言われていますが、1人暮らしなので介護保険を使ってヘルパーさんに作ってもらっています。自己負担の金額もわずかなのでお得ですよね

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そのように思われている人も多いようなんですけど、実はそうとも言い切れないんですよね。この先、すごく損をすることにもつながりかねないんですよ。

えー!損をするのは嫌だから、
どういうことか教えて‼︎

今回は、腎臓病でドクターから食事制限の指示を受けている時の食事についてアドバイスしていきます。

食事は生きていく上で、最も大切なことと言っても過言ではありません。しかし、正しい方法で行わないとかえって健康状態を悪化させてしまうこともあるのです。それらのことをよく考えるための参考にしてください。

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腎臓病の食事で気をつけること

腎臓病で食事制限が必要となることがよくあります。しかし、元の疾患や病状、その程度などによって必要な食事制限が変わってきますので、必ず主治医に相談しながら行っていきましょう。

腎臓病で行われる食事療法の主なものは以下となります。

たんぱく質を制限する

たんぱく質が分解された時の老廃物を排泄するときに、腎臓に負担がかかります。そのため、腎臓病の食事療法ではたんぱく質を制限するように指導されます。

カロリーを補う

たんぱく質の制限によって摂取カロリーが減少するため、それを補う必要があります。

カロリーが不足すると、身体のたんぱく質が分解されるため、かえって老廃物を増やすことにもなるため、1日に必要なカロリーをきちんと摂取できるようにしましょう。

塩分を制限する

塩分を制限することは、高血圧を改善するほか、体液量が増えることでの腎臓への負担を減らすことになります。

また、体内の塩分が過剰になると身体に水がたまり、むくみや高血圧の原因となり、ひどくなれば心不全や肺水腫などをひき起こし、時には命の危険にもつながります。

カリウムを制限する

腎臓の機能が低下すると、カリウムが排泄されず血液中のカリウム濃度が増加する「高カリウム血症」となります。「高カリウム血症」は心停止の原因となり大変危険な状態です。

したがって、腎臓病の食事制限ではカリウム制限を指示される事があります。

腎臓病の制限食を作るのは難しい

このように、腎臓病の人の食事では気をつけていかなければならないことがたくさんあり、病状を悪化させないためにも食事には非常に気をつけなければならないのです。

このような、たんぱく質、塩分、カリウムを制限しつつ、十分なカロリーが取れる食事を作るためのポイントがあります。

基本的に生ものはNG

カリウムは果物や芋類、野菜、お刺身などに多く含まれます。そのため細かく切って茹でたり、流水でさらすなどをすることでで少しでもカリウムを減らせるようにする必要があるのです。したがって腎臓病の食事制限では基本的に生ものはNGです。

食材の選定や下準備に専門的な知識が必要

たんぱく質や塩分、カリウムを制限しなければならない腎臓病の人の食事では食材の選定や下準備などに専門的な知識を必要とします。

どの食品にどんな成分が多く含まれているのかだけでなく、メニュー全体としての栄養のバランスや制限しなければならないことがきちんと守れているかをみていかなければなりません。

これは、一般的な知識では到底困難であり、管理栄養士の資格がなければ難しい。

味付けが難しい

塩分制限やカリウム制限があるため、調味料の使用にも気をつけなければならず、腎臓病の制限食は味付けが薄味になりがちです。

そのため、味が薄いと言って醤油をたくさんかけたり、美味しくないからと食が進まず、カロリー不足になったりなど好ましくない状態に陥ることはよくみられています。

腎臓病の制限食の調理はプロに任せないとダメな理由

このように、腎臓病の食事療法は制限食の中でも特に配慮が必要で素人が作るのは不可能なのです。

食事は毎日のことで、病気を持っている人にとっては健康状態に直結し、治療の一環です。しかし、食事療法を見よう見まねでやってしまうと、結果として血液のデータや症状が悪化したりするようなことになりかねず、透析が必要になってしまったり最悪の場合には生命に危険を及ぼすこともあるのです。

ですから、腎臓病の食事制限はプロに任せましょう。

 

腎臓病の制限食におすすめの方法

このように調理の難しい腎臓病の制限食を確実にするためにプロに任せる方法は制限食の宅配弁当を利用することです。

宅配弁当にはその都度配達をしてくれて、安否確認も同時に行うことができるものと、いくつかまとめて配送され冷凍保存しておいて、食事の都度加熱して食べるという方法のものがあります。

その人の状況に合わせて、ベストな方法を選択するようにしましょう。

・そのまま食べられるようにお弁当として配達されるのもの
・冷凍のお弁当として配達されるのも
・冷凍の食材が届き、簡単に料理をするもの

治療食の宅配弁当のメリット

治療食を宅配することのメリットはたくさんあり、それぞれのメーカーで特徴に違いもありますが、共通するメリットは次のようなものです。

・管理栄養士によって栄養がコントロールされている
・肉、魚、野菜のバランスが取れている
・1人前の食事がきちんととれる
調理が簡単なだけでなく、メニューが豊富で飽きない工夫がされている

宅配弁当のデメリット

宅配弁当はたんぱく質や塩分、カリウム制限など普通の調理では難しい腎臓病の制限のある食事を確実に摂るためには非常に便利ですが、一方でデメリットもあります。
・価格が高くなりがち
・冷凍のものは冷凍庫の保管場所に困る

これらをどのようにとらえるのかが、腎臓病の食事療法の成否にかかってくると思われます。

長期的に見るとヘルパーに依頼をするのは損になるかも

看護師の資格を持ち、長年ケアマネジャーとして在宅介護を支えてきた立場から言うと、訪問介護のヘルパーさんに腎臓病の治療食を作ってもらうのは賛成できません。

その理由のひとつ目は、特段の配慮を必要とする調理は単なる生活援助ではなく身体介護となり、介護報酬は非常に高額になります。それに食材の費用を加えると宅配弁当の方がよほど安くなるからです。

ヘルパーでの調理が望ましくない理由のふたつめは、ヘルパーは治療食を作るプロではなく栄養の計算はもちろんできません。カリウムを抜くための湯でこぼしなどを見よう見まねですることは可能かもしれませんが、味を良くしたり豊富なメニューで飽きない食事の工夫は困難です。

3つ目の理由は、ヘルパーの食事を継続して体調が悪くなった時に本人も、ヘルパーもお互いに気持ちに複雑な思いが残る危険があるということです。病状が進んでしまうことは宅配のお弁当を食べていてもありえることですが、ヘルパーとしては自分のせいだと強く責任を感じてしまうことがあります。介護へルアーは治療食を作るプロでは決してありませんので、このようあことが起こらないようにするべきだと思います。

また、目先は安い金額だと思っていても体調を崩したり、透析に移行しなければならない時期が早まったりすれば、そちらの方が金銭的な負担が大きくなってしまいます。食事療法が必要な状態になった時にはきちんとコントロールできるようにする方が、金銭的にもお得になるともいえるでしょう。

まとめ

  • 腎臓病の食事療法のポイントはたんぱく質制限、塩分制限、カリウム制限に加え、カロリーをきちんととることが大切。
  • 腎臓病の治療食はプロでなければ献立を立てたり、調理をすることが難しい
  • 確実に腎臓病の食事療法を成功させるためには宅配サービスがおすすめ
 
寺岡 純子

合同会社カサージュ 代表
主任介護支援専門員/BCAO認定事業継続管理者/看護師
急性期の看護師を経験した後、1999年に介護福祉の世界に転向
前職場では、介護事業の運営と約400名の部下育成に携わる
現在は、独立し居宅介護支援事業所を運営する傍ら、介護研修事業を展開
特に、介護BCPは介護現場とBCPの両方を理解している講師としてさまざまな方面から高く評価をいただく

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