久しぶりに会ったひとり暮らしの親の様子がちょっとおかしくて心配で…
気をつけなければいけないサインがあるのなら、それを知りたいなあ!どこまでひとりで大丈夫なのかなあ?
かと言って同居できるわけではないのでどうすれば良いのか!
高齢者のひとり暮らしは、ずっと在宅で生活したいのか、いずれは施設に入ろうと思っているのかでも対応方法が変わってきますよ。
ひとり暮らしの高齢者は常に危険と隣り合わせてです。だからといって周囲の人が安心するために施設などに無理やり入社させたりするのは、高齢者の尊厳を守るという意味でも良くありません。
この記事では、20年以上在宅介護に携わってきた主任ケアマネジャーが、ひとり暮らしの高齢者の危険信号とその対策方法が分かるよう解説します。
早くに対処ができることで自宅での生活が継続できたり、危険を回避することが出来ますので、そのサインを見逃さないようにしましょう。
高齢者の見守りポイント
ほとり暮らしの高齢者の生活は日々危険にさらされています。しかし、危険の回避を優先するあまり、あれもこれもしてはいけないと制限すると生活が成り立たないです。反面、気が付かないうちに様々な支障が出ていたということもあることから、程よく見守りを続けていき、危険信号が出た時にいち早く気が付けるようにすることが大切です。
つぎのようなことがあれば、何らかの対策が必要となる危険信号です。
転倒した
高齢者は転倒すると、骨折するリスクが高く、特に大腿骨頸部骨折を起こすとそのまま寝たきりになってしまうリスクが高くなります。
転倒をして、幸いその時は骨折していなくても、次はどうなるかわかりません。もし、転倒するようなことがあれば、その原因は何だったのかを見極め対策を打っておきましょう。
- 栄養状態の確認を行い問題があれば配食サービスなどを取り入れ十分な栄養が確保できるようにする
確認事項:食事の内容・摂取カロリー、食事の回数、体重の増減 - 床の上にものがないか、段差やカーペット、コード類などつまづく原因になるものがないかを確認し室内の環境を整える
- 1週間の運動量、外出の頻度など運動の状況を確認し、閉じこもりにならないよう運動の機会を確保する
肺炎で入院した
高齢者の肺炎の原因は誤嚥性肺炎が最も多く、繰り返す傾向にあります。誤嚥性肺炎を予防するための対策としては飲み込みやすい食事にする、嚥下機能を改善することが大切です。
誤嚥性肺炎で入院することになった時には、その後の食事には十分注意しましょう。
手間をかけずに飲み込みやすい食事形態に加工した食事の販売もされているので、そのようなものを活用してもいいでしょう。
むせやすくなった
誤嚥性肺炎の前段階として、水分などでむせやすくなるということがあります。水分を摂取した時だけでなく、唾液でもむせ込みは起こり、このようなことが増えてきたときは要注意です。
水分にとろみ剤や葛などでとろみをつけると飲み込みやすくなります。また、誤嚥性肺炎へのリスクを少しでも下げられるよう、歯磨きなどで口腔内の清潔を保つことも重要です。
薬の飲み忘れが増えた
高齢になると普段から定期的に服用しなければいけない薬が多くなりがちです。そのため、服薬が習慣化していることも多いのですが、薬の飲み忘れが増え、たくさん薬が残っている状態は要注意です。
習慣化できていたことが出来なくなっているのは認知症が始まりかけているのかもしれません。帰省した時には薬袋がたくさんあったり、残っている薬がどのくらいあるかをチェックするようにしましょう。
お薬カレンダーや服薬の時間知らせてくれるタイマーなどを活用すると良いでしょう。
また、必要に応じて、薬剤師さんが自宅を訪問して服薬指導をしてくれるサービスもあります。
家に閉じこもり気味
外出することが減る、習い事や友人に会う機会が減るなど生活の状況に変化がある時も注意が必要です。
昼夜のリズムが取れているかをチェックするようにします。高齢者の見守りサービスなどを取り入れていくようにすると、離れて暮らしていても24時間どのような生活を送っているかを見守ることが可能です。
掃除が出来なくなってきている
もともときれい好きだったのに、掃除の頻度が低下している、ごみがたまっている、中途半端な掃除になっているなども認知症の初期の段階でよく見られる生活状況の変化です。
電化製品の使用頻度がチェックできるとこのような状況にいち早く気付くことが可能になります。
同じものを買いだめしている
洗剤やシャンプー、冷蔵庫の中のストックが多すぎる時は要注意です。買い物に行くたびに前回買っていたことを忘れて、無くなっては困るからと毎回購入してしまっている可能性があります。
そのことを指摘すると、「無くならないように」「安かった」など相手が納得するように上手く取り繕うことがあるかもしれません。
いくら安かったとはいえ、もともと1つか2つ程度のストックしかしないような人だった時には、何か変化が起きていると考えるのが妥当でしょう。
鍋を焦がしている
調理をしているとうっかり鍋を焦がすことはありかも知れません。しかし、高齢者の場合はそれが火災の原因となり、最悪の結果を招くことにもなりかねません。
ガスを使用しているときは、火災のリスクを避けるため、早めにIHに切り替えるようにしておきましょう。
慣れ親しんできた日常使用するものを変えることは、高齢者にとっては負担でもあり、新しいものの使い方が分からないという状況が起こります。日常生活上、危険を伴うものの早めの変更が、高齢者が安全にひとり暮らしをおくるために大切です。
まとめ
ひとり暮らしの高齢者の危険信号は
- 転倒した
- 肺炎で入院した
- むせやすくなった
- 薬の飲み忘れが増えた
- 家に閉じこもり気味
- 掃除が出来なくなってきている
- 同じものを買いだめしている
- 鍋を焦がしている
ということが挙げられます。このようなことに気が付いたらすぐに対処をして、安全の確保に努めましょう。