中小介護事業の経営者の悩みその①人員不足に関すること

介護コラム
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介護事業を経営する経営者には少なからずとも、社員には言えない何らかの悩みを持っています。社員との軋轢や考え方のギャップ、経営側の思いが社員に伝わらないなどの悩みを抱えている経営者やリーダーからの相談を多く受けます。しかし、本物の経営者はみな孤独であり、孤独であることが事業を成功に導く要因になるのだと私は考ええています。
ここでは、孤独な経営者が悩みを解決するためにはどこを見直し、どんな解決方法があるのかをまとめています。

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経営者が孤独であるゆえの悩み

経営者と社員に間にギャップが生じる原因は、経営者と従業員では目指すべき目標や価値観が違うことです。従業員は働く対価として給料をもらうことを目的とし、その場所としてあなたの事業所に身を置いているのです。特に介護業界では定年までそこで過ごしたいと考える人は少なく、今より要件の良い事業所が見つかればやほかのメニューを経験したいなど少しの不満をきっかけに転職を繰り返す従業員も多く見られます。


しかし、経営者であるものの使命は会社の業績を伸ばし続け従業員に給与を支払い、また社会的責任を果たすことにあります。そもそも従業員にそこを理解してもらうことは非常に困難なことなのです。


ですから、経営者は孤独に陥り一人で悩みを抱えることになります。一人で悩みを抱えていてもなかなかベストな改善策が見つからないまたは、成果の上がらない独りよがりな方策を実行していることもあるのではないでしょうか。これでは問題が解決するばかりか、事態はどんどん悪い方向へ進んでいってしまいます。


では、どのようにすればよいのでしょうか。それは、あなたと同じ視点で物事を見ることが出来る経営者の仲間やあなたの右腕となる人材を見つけ二人三脚で事業を行うことです。自分の事業所には右腕になるような人材が育っていない場合には、後々の事業の継続性を考えれば社外の人材を活用してでもつけておいたほうが良いと言えるでしょう。

介護事業の経営者の3つの悩み

では、介護事業の経営者の方々の悩みはどのようなものが多いのでしょうか。今までかかわってきた多くの経営者の悩みを大きく分類すると
1.人員不足に関すること
2.従業員の育成に関すること
3.業績に関すること
の3つに分けられます。この3つの悩みは事業の継続をしていく上で、とても大きな関係性を持ち重要なポイントであることをご存知ですか。言い換えれば、ここを抑えておくことが出来ればあなたの介護事業所を魅力的にし、経営を安定させることが出来ることになるのです。

悩みその1:人員不足に関すること

事業所のブラック化

SNSなどを見ていると介護事業所のブラック化を嘆いているような投稿をよく見かけます。これは介護経営者と従業員の思いのギャップでこのような投稿につながっていると危惧しています。

なぜなら、介護事業を経営している人の多くは自分自身も介護の従業者として十分な経験を積み、介護に対する大きな思いの詰まった介護事業所を運営しようと思っている人だからです。介護に事業で自分だけがいい思いをしてやろうと考える人はあまりいないのです。

ですから、介護事業所がブラックだと思われている要因がどこにあるのかを知り、対応を怠らないで本来自分が目指した事業所にしていくことが経営者にとって重要な任務となるのです。

不満が退職への行動を起こさせる

従業員は多かれ少なれ不満は持っているものです。特に介護の業界では拠点の人間関係や上司の対応、給与、将来的な展望などが多いですが、だれがどの程度の不満を持っているをある程度把握しておくことは中小の経営者としては必要なことです。

従業員のほとんどが非常に強い不満を抱えている場合、何かのきっかけで一気に人が辞めてしまい事業そのものの存続ができなくなることもあります。

従業員を確保するのは大変

介護職の有効求人倍率は上昇の一途で4倍を超えています。つまり、一人の求職者に対して4社が取り合っている状態です。このような状態の中で雇用を進めることがどれだけ難しいことかはお分かりいただけると思います。しかもこのような状況での求人は様々な媒体を使用しないと求職者の目にも触れないことも多く、非常にコストがかかるものです。

だからこそ、あなたの事業所を魅力あるものにして、極力退職者が出ないようにすることが最も大事であることと、求職者に対して他の事業所より魅力がアピールできなければならないのです。

人材が定着しない事業所についてはコチラも参照してください

人材の悩みの解決法

管理者がどんな指導・管理をしているかを知ること

現場での従業員や業務を管理者に任せている場合は、そのような管理をしているかは十分に確認しておく必要があります。かつての経験では、管理者が残業を認めず、退勤時間になれば先にタイムカードを押させてその後も勤務をさせていたり、実際の残業時間より短く報告す不正を行っていたことなどがありました。

管理者は少しでも経営状態が良くなればという思いでやったことでしたが、明らかな違法行為であり厳重な処分がされました。また、管理者や職場でのパワハラもあります。当事者は指導のためと考えているかもしれませんが、相手を不快にさせる指導方法でうまくいくはずがありません。


もちろん経営者はそのようなことがないように伝えてはいましたが、ここに落とし穴があったのです。つまり、伝えていることが正しく実施されているか、どのような伝え方をしているのかを任せて任さずでチェックをしなければならないのです。これができない経営者はいつも人員不足に悩まされていると言えます。

経営者の思いを伝えること

経営者の思いはことあるごとに伝えていかなければ伝わりません。人の入れ替わりの激しい事業所であればなおさらです。経営者が思い描いている介護への思い、事業所のあり方を直接従業員へ伝えていれば、管理者やリーダーが勝手な行動をしていたとしても自分のもとに情報が上がってきやすくなります。

は風通しの良い事業所を作り上げていく上では必要不可欠なことです。また、人に何かを伝えるために!8回同じ話をする必要があるとも言われますので、理念や思いはいつも口にするように心がける事です。

従業員の声を聞くことが出来る仕組みを作る

何かがあれば従業員がいつでも報告を上げてくれるとは限りません。従業員の声を積極的に聞ける仕組みは必ず必要です。定期的に現場を訪問し、直接話をしたり、面談をする、会議に出席するなどの工夫をしていきましょう。また、何かあった場合に連絡する先を明確にし、遠慮なく相談できるようにしておくとよいと思います。

悩みその2:従業員の育成に関すること

悩みその3:業績に関すること

寺岡 純子

合同会社カサージュ 代表
主任介護支援専門員/BCAO認定事業継続管理者/看護師
急性期の看護師を経験した後、1999年に介護福祉の世界に転向
前職場では、介護事業の運営と約400名の部下育成に携わる
現在は、独立し居宅介護支援事業所を運営する傍ら、介護研修事業を展開
特に、介護BCPは介護現場とBCPの両方を理解している講師としてさまざまな方面から高く評価をいただく

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