【介護のプロが教える】介護サービスが休止に!そんな時どうする?

介護サービスはご利用者の日常生活者の課題に応じて、適切に変更していくのが本来の形です。しかし、時にサービス事業所からサービスの継続が難しいと告げられることがあります。

サービスの継続が困難になる理由はさまざまですが、ご利用者にとっての影響は大きく、突然の申し出にケアマネジャーとしても次の事業所をどうするのか悩まされることになります。

しかし、この時にケアマネジャーとして別の事業所を探すだけではダメで、ケアプランの見直しが必要になります。

サービス事業所都合で休止になる事て、ケアマネジャーの仕事が増える事にもなるんですね。

ここでは、サービス事業所が休止になる際にケアマネジャーとしてどのような視点でも考えていかなければならないのかを解説していきます。

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サービスが休止になるのはどんな時

介護サービスが休止になるには、相当の理由があるのですが、具体的にどんな時にサービスが休止となるのでしょうか。

災害時

地震や台風のなどの災害の時には介護サービスが休止される事があります。このような場合は利用者も大変な状況であるため、状況を判断しながら代替のサービスや家族の力を借りなければならない事もあるでしょう。

また、施設や職員の被害の状況によっては長期間に渡ってサービスの休止となることもあります。

ただし、大規模な災害が起こった時には厚労省より特例での対応の指示が出る事がほとんどですので、その動向をチェックして調整をしていく必要があります。

事業所の人員不足

介護サービス事業所では慢性的な人手不足に陥っているところも少なくありません。そのため、希望しているサービスの提供が困難になったり、新規の受け入れを断られたりが起こります。

新規に開設した施設などでは、入居希望者はいても、人手不足のためユニットをオープンできないというところも見られています。

事業所の閉鎖

何らかの事情で事業所が閉鎖されることもあります。通常は数ヶ月前に告知があるため、その間に別の事業所を探すことになります。

利用者側の問題

中には、利用者本人や家族による暴力行為やセクハラなどの行為によって、サービスの継続が難しいと告げられることもあります。

このようなケースでは事前にケアマネジャーに報告や相談をされることも多く、対応が不十分だともう行けませんと言われかねません。サービス事業所から相談があった時にはしっかりと対応をしておかなければ、利用者にとっても不利益になるばかりか、自分仕事を増やすことになってしまいます。

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介護サービスが休止になったらどうすれば良いのか

予期しない介護サービスの休止には誰がどのように行動すれば良いのでしょうか。そのポイントは次のようになります。

基本的にはケアマネが考える

介護サービスが休止になる場合、基本的にはケアマネジャーが中心となって次の事業所を探します

ただし、ケアプランの変更の必要性がなく、サービス事業所の一方的な都合で休止されるような場合にはケアマネジャーと一緒に次の受け入れ先の事業所を探していただくように依頼することもあります。

基本は同じサービスを提供することになるため、別の事業所に打診をしましょう。ただし、災害等により近隣のサービス事業所も同様に被害を受けているため受け入れが難しい場合もあります。

このような時には、再アセスメントを行なって、利用者の課題を解決するための別の方法を考える必要があります。

自分でできる事がないかを検討してもらう機会に

介護サービスの休止の要請があったことを利用者に伝えることになりますが、そのことをきっかけに自分自身でケアプランの評価をしてもらっても良いでしょう。

日常生活上の課題に対して自立支援の考え方に基づいて、自分の希望する結果すなわち目標の達成ができているかや自分でできることは無いかなどをケアマネジャーの視点ではなく、本人の視点で考えてもらいましょう。

そうすることで、自分でできそうなことに気が付いて、自立に向けたプランへと修正が行えるようになることもあります。

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自助に向けた対処方法

さまざまな工夫を凝らして、人の手を借りずに自分で行うことを「自助」と言います。自分でできることは継続していくほうが、要介護状態の悪化の防止になります。

それぞれの課題に対して、どういう対処方法があるかをご紹介します。状況を見て最適な方法を考えてみるようにしましょう。

ただし、家族介護は除いています。

入浴

自宅で入浴する方法も工夫次第では、たくさんあります。

  • 手すりや段差の解消などの住宅改修
  • 福祉用具を購入して環境を整える
  • 背中など自分では手の届かないところも洗えるような自助具を活用
  • 訪問介護を導入してヘルパーに介助してもらう
  • 訪問看護師に入浴介助してもらう
  • デイサービスやデイケアからの通所施設で介助を受ける
  • 訪問入浴を利用する

買い物

  • 訪問介護の買い物代行(生活援助)
  • 訪問介護の買い物同行(身体介護)
  • ネットスーパーの利用

身体介護は身体機能の維持向上が期待できる反面、転倒のリスクや単位数が大きいため気が付きにくいですが、コストの負担がかかることがデメリットです。

調理や食事関連

  • 訪問介護の利用(生活援助)
  • 配食サービス
  • 冷凍弁当を温めて食べる

訪問介護の生活援助は訪問回数の制限があるため、注意が必要です。また、配食サービスは飽きてしまう事が多く、勝手に断っていたり美味しくないからと食事量が減ったりすることもあります。

通院や外出

  • 訪問介護による身体介護
  • 介護タクシーの利用
  • 通常のタクシーを利用
  • 本人の身体状況などによっては往診を依頼

通院は身体状況を医師に正しく伝えられるようにしなければなりません。また、医療職ではないヘルパーが先生の話を聞いてきて家族に伝えることは正しく伝わっていなかった事に起因してトラブルの危険があるため避けましょう。

掃除

  • スティック型掃除機やほうき、フローリングワイパー、使い捨てクロスなどを使用して自力で行う
  • 訪問介護(生活援助)の利用
  • 有料ボランティアやヘルパーの利用

掃除は家事の中でも負担が大きいこともありますが、用具の工夫次第で自分でできることも沢山あります。また、独居の場合ではそれ程汚れることもなく、自分で問題なく元気だった頃と同じ頻度で掃除をするという考え方を変えてみるのもケアプランを作成していく上では重要な事と言えるでしょう。

リハビリ

  • 身の回りのことをなるべく自分で行う
  • 老人クラブやサークルへの参加
  • デイサービスやデイケアでの機能訓練
  • 訪問看護、訪問リハビリ

日常生活機能を維持する事が目標であるのなら、身の回りのことや家事などは出来ることを見極めて、自分で行うようにする必要があります。

いくら専門的なリハビリをしても、それ以外の時間にあまり動くこともなくじっとしていては、リハビリにはなりません。

まとめ

サービス事業所の休止によってケアマネジャーは新たな事業所を探し、再アセスメント、サービス担当者会議などの一連のケアマネジメントが必要になるため仕事が増えます。

しかし、しっかりとモニタリングや再アセスメントを行う事で、利用者のできる事やできるようになった事に目を向けていくきっかけになることも少なくありません。

決して面倒とは思わずに、しっかりと対応をするようにしましょう。

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